「鍵のない夢をみる」 辻村新月
辻村新月さん 「鍵のない夢を見る」 読了
5つの物語から構成されていました。
「仁志野町の泥棒」
「石蕗南区の放火」
「美弥谷団地の逃亡者」
「芹葉大学の夢と殺人」
「君本家の誘拐」
すべて女性が主人公。
「仁志野町の泥棒」
同級生の律子の母親が泥棒していて、とうとう主人公の家に盗みに来てしまった。
主人公はショックを受けたが、母親からは律子とは遊んでいいよと言われた。盗みをしたのは律子ではないのだからと。
「石蕗南区の放火」
合コンで会った男。笙子にとっては全然興味のない男だった。
しかし執拗に連絡をしてくる。しかたなく行った横浜デート。だが途中で抜け出す。
そのあとも男から執拗に連絡が届く。が 無視。
笙子は町村の持つ建物や車、公有物件の保険を事業とする職場で働いていた。
ある日、笙子の実家の目の前が火事になった。知らせを聞いて行ってみると男がいた。
「久しぶりだね、元気だった?」と話をかけてきた。自然を装って寄ってきたが、笙子は(私の仕事は災害の調査であるからここにいるのは必然で・・・・)と考えを巡らせているとあることに気付く。
あの男は知っているはずだ。 私がここにいる理由を。 なぜなら、あの合コンの日に自己紹介した際、詳しく自分の職業について話したことがたしかであったから。 あの男が その話を忘れるはずがない。
もしかすると・・・・ 火をつけたのは・・・・・・・・この男?!
「美弥谷団地の逃亡者」
陽次はネットの出会い系サイトで出会った男だった。
気持ちがかなり落ち込んでいるとき、相田みつをの詩をくれたことをきっかけに交際が始まった。
最初はとてもいい人だと思った。
が、だんだんと束縛がひどくなっていった。
母親からも心配されるようになっていた。
陽次がどこにでも連れてってくれると行ったから、 海 に行くことにした。
なんの準備もなかったから、買い出しにすることにした。
水着やワンピースなどを購入するとき、陽辻のポケットから出たのはクレジットカードは私名義のものだった。
昼食をとるために入った店で 警察が来た。
陽次が逮捕された。
「芹葉大学の夢と殺人」
大学時代の教授が殺害された。
雄大は容姿が整った男だった。同じゼミで、 しばらくして交際が始まった。
雄大の夢は大きなものだった。
みんなが就職先が決まっていく中で、雄大はゼミでの単位を落としてしまい留年になってしまった。教授に目を付けられてしまったことが理由だと思っていたが、
翌年また落とされる。
それでも夢をあきらめない。自分の気持ちを第一に、 決して曲げようとしない。
雄大は卒業させてくれない教授を殺害してしまった。
殺害したにも関わらず、反省もなく、警察には殺していないと断言すると決め込んでいる雄大に絶望し、彼女は目の前で飛び降りる。
「君本家の誘拐」
待ちに待った待望の赤ちゃんだった。
名前は咲良。とてもいとおしいかけがえのない存在。
想像以上に子育ては大変だった。
とくに夜泣きはかなりきついものであった。旦那はあまり積極的に面倒をみてくれていないこともストレスの原因でもあった。
子供を一人置いて外にでていくのなんて危なくて言語道断。
しかし 夕食の 買い出しのため、 出て行った。
急いで帰ってくると 咲良は にこにこしながら 待っていた。
デパートは家からすぐちかくにある。 雑貨に目を奪われていると
咲良がいないことに気付く。
この世の終わりとばかりに驚き、必死に探すがどこを探しても見つからない。
デパートの人にも協力してもらうが、見つからない。
携帯を持ってくるのを忘れたため旦那に連絡ができない状態を伝えると店員は一旦家に帰ることを薦めた。
急いで帰ると、そこににこにこしながら 咲良が待っていた。
この5つのお話。主人公や設定は全然違うけど、かなり話にのめりこんで行けた。
1つ1つのお話は、新聞の記事にありそうな話だったと個人的に思いました。1~4は事件ですし。